特別な知恵も攻撃する力もなく、体を丸めて針を立て身を守るすべしかもたない小さなハリネズミが「一番の友達だから」と言う仲間たちに委ねられ押し出されながら花を採りに行きますが「このままだと自分も死んでしまう」と泣きながら帰るというお話です。強くあれと励まさない、愛の深さは犠牲の深さによって測られるというヒロイズムではないところに新しさを感じ惹かれました。人間は疲れるもので、だから疲れ切る前にちょっと休もう、という劇中歌とも相まって、自然の前ではまずは自分の命の上に立とう、立っていいのだと小さな人形たちが語りかけます。三歳から百歳までのお客様に